ストーリー Story
多様化するお客様対応の負荷。そこに見えた“次の打ち手”
シノケングループは、会社員や公務員のお客様を中心に、少ない自己資金ではじめられるアパート経営による資産づくりを提供しております。近年、お問い合わせの内容はより多様化するとともに、お客様・ご家族・営業担当それぞれのスケジュール調整に時間がかかるなど、お待たせしてしまう場面が増えていました。
事業推進部のK.Fは、その状況をこう振り返ります。
「お客様の疑問や不安に、もっとタイムリーにお応えできる仕組みが必要だと感じていました。ただ、人間にしかできない、お客様の心情に寄り添ったきめ細やかな接客は残しつつ、AIによる営業支援を両立させる方法を探していたんです。」
一方、DX推進室のY.Yは生成AIの対話技術に注目していました。
「シノケンの商談ノウハウを学んだAIが、24時間お客様の相談に寄り添えたら――」
そんな発想から、セールスAIエージェントの構想が生まれます。
ただ、構想段階では「本当に実現できるのか?」という不安も大きかったと言います。
自然な会話”をAIでつくる難しさ
営業ノウハウ × AI × UXデザインの挑戦
シノケンAIセールスエージェントイメージ画面
セールスAIエージェントは、お客様がオンライン上でアクセスをすると、会社や商品の説明、不動産投資に関連するご質問への回答を行うサービスです。さらに、このAIエージェントは シノケングループが1990年の創業以来、累計およそ8,000棟のアパートを販売する中で培ってきた商談ノウハウを学習しています。
長年蓄積されてきた“お客様が本当に知りたい情報”や“疑問が生まれやすいポイント”をもとに、どのタイミングでどんな情報を提供すべきかを主体的に判断し、最適な提案へ導くことを目指しています。
しかし、ここからが本当の難しさでした。Y.Yは次のように話します。
「AIは正しい情報は返せますが、正しいだけでは伝わらないんです。
営業担当者が普段どんなタイミングで説明し、どう不安を和らげているのか。
その“行間”をAIに覚えさせるのが本当に難しくて。」
AIが返す回答に対し、「この言い方だと不安に感じるかも」「これは初期段階では伝えすぎかもしれない」「順番を入れ替えた方が理解しやすい」といったフィードバックを、営業社員と一緒に何度もチェックしながら調整していきました。
「一つ直すと別の回答に影響が出るので、まるで迷路を抜けるような作業でした。
でも、営業の人たちのリアルな感覚に助けられながら、少しずつAIが“人の会話”に近づいていくのを感じました。」
K.Fが取り組んでいたのは、もっと根本的な部分でした。
「世の中にまだあまり例のない商品だったので、どんな価値が生まれ、どんな投資効果があるのかを整理し、社内の合意をとっていくのがとても難しかったですね。」
また、今回のプロジェクトは業界でも驚かれるほどの短納期。
「専門業者の方からも“このスケジュールで本当に?”と言われるほどでした。でも、スピード感を持って進めないと意味がない。走りながら形にしていきました。」
ここに、PKSHA Technology社の7.5億回以上の対話結果による自然言語処理技術を代表とするAI開発力、そしてグループ会社であるXtoneのUX/UIデザインが加わり、35年以上にわたる“シノケンの商談ノウハウを持つAI”の開発が本格化していきます。
AIと人が協働する未来へ顧客体験をアップデートするために
セールスAIエージェントはPoC(概念実証)を経て2026年1月にサービス提供を開始しています。AIが対応することで、「自分の都合の良い時間に相談できる」「聞きづらいことも気軽に尋ねられる」といった体験が実現します。そして営業担当者は、人にしかできない深い提案に集中できるようになります。
K.Fは言います。
「AIがタイムリーにお客様の求める情報を整理し、営業マンがお客様の想いを汲み取り、最良の提案をすることにつながります。その循環が生まれることで、シノケンらしい接客がもっと磨かれると思っています。」
Y.Yも続けます。
「AIは人に代わるものではなく、人の価値を引き出すための存在です。これまで大切にしてきた“寄り添う姿勢”を、デジタルの形に置き換えていきたいと思っています。」
不動産業界はまだアナログな部分が多いからこそ、このプロジェクトは大きな一歩になります。
“人とAIが協働する営業体験”。その新しいスタンダードを、シノケングループから生み出していく挑戦が続いています。
AIと人の力が重なった時、接客の価値はもっと高まっていきます。お客様の安心と、寄り添う姿勢。その両方を守りながら、シノケングループは顧客体験の新しい未来をつくり、これからも変化に合わせて進化し続けます。